私たちの日常は小さなできごとの積み重ねによって継続している。それは目的地を目指し歩みを進めるのと同じように目の前の一歩を踏み出し続ける以外の方法はない。ここに集まる作家はまさにその小さな行為の積み重ねによって創作活動を行っている、松田は米や毛髪、糸くずなどを一つひとつ再構成し人々の「日常」という認識に働きかける造形表現を行なう。橋本は土地や空間、文化の細部を拾い上げインスタレーションや絵画といった技法でそれらを描き浮かび上がらせる。池田は様々な物質そのものを切り取り見ていることへの疑問を問い直す映像を制作している。本展覧会はそれらの小さな貝殻が鑑賞者という海流に運ばれ様々な解釈を生み出し、内なる海を拡大しようとする試みである。ここ八戸の港から放たれる貝殻に秘められた内海をぜひご覧ください。
会期:201年2月17日(金) 〜 3月10日(金)
開場時間 : 9:00 ~16:00
休廊日:土曜、日曜、祝日
出品作家
橋本 直明 Naoaki Hashimoto
1982年三重県生まれ。2009年東京造形大学造形研究科修了、2011年groove△結成、2016年 FEEL KYOTO 2016「京都で小須戸」滞在制作、「大和デパート記憶と希望 」新潟、「美術と町巡り浦和」埼玉、2015年 「中之条ビエンナーレ」群馬、「Three pieces」京都、などの展覧会へ参加。土地、人との関係を重視しつつ、ミニマルな絵画に落とし込む作業としてインス
タレーション、 絵画へという制作を展開。
松田 直樹 Naoki Matsuda
1983年埼玉県生まれ。2009年東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻修了、。主な個展に2008年「10days セレクション‐予兆のかたち10‐」INAXギャラリー2、2013年 「Clothing/Crossing」Attic Gallery(台北)、など。2013年、台北国際芸術村、2016年、BankART BERLINにて滞在制作を行う。主に米粒などの有機物を用いて、時間のかかる作業でありながら出来たも
のは時間と共に変化するインスタレーションを制作。「生」とは何かを問うことを意図しています。
池田拓馬 Takuma Ikeda
1983年神奈川県生まれ。2009年東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻修了、 主な個展に2015年「つかみえぬ空虚な実体/触覚」タカシソメミヤギャラリー、2016年 「けされる絵/描かれるじかん」八戸ポータルミュージアム はっち、など。「取手アートプロジェクト2006」茨城、「群馬青年ビエンナーレ」2012、2015入選、などの展覧会へ参加。液晶モニターやプロジェク
ターなどの映像機器を用い実体のない空虚な触感そのものに触れるような視覚表現を行う。
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開催の様子